「リスティング広告の成果が良いので予算上げよう!」というのは代理店の罠?

2014.05.12. by 菊池 真也


今回はリスティング広告を評価する際に陥りがちの罠について述べたいと思います。
※タイトルはちょっと釣りです。すいません。。

リスティング広告のCVsは、ほとんど社名キーワード経由!?

とある代理店から「リスティングの成果絶好調なので予算上げましょう!」と言われ、
予算増額を検討していました。

そのECのKPIはLTV5,000円のため、目標CPAを3,000円で設定し、下記のような結果となりました。

図1-1

一見、問題ないように見えます。しかし、この全体成果だけで判断するのではなく、
もう一段深堀りして見て見てください。

社名キーワードと社名外キーワードを分けてみてみます。

図1-3

上記のとおり、ほとんど社名キーワードでとれていて、社名外キーワードは、
目標オーバーという事がよくあります。

そんな当たり前のこと知ってるわ!という声が聞こえてきそうですが、、、
意外とリスティング広告全体で成果を見ている方がまだまだ多いのが実態です。

それを知ってか知らずか「成果が良いので予算上げて件数増やしましょう!」
という代理店が一定数いるのも悲しい現実です。。

さらに、毎月送られるレポートが媒体別やデバイス別の形式が一般的で、
その内訳がパッとみ分からないケースが多いので注意です。

まずは最低限、社名と社名外は分解して成果を追っていきましょう。

リスティング広告のCVsは、ほとんどリピーター!?

とある代理店から「機械損失をなくすために、LTVを目標CPAに設定して予算上げましょう!」と言われました。

さっきよりはそれっぽいのでチャレンジしてみようかと思いました。

ここで、もう一つ違う切り口で見てみます。
まずは全体をもう一度。

図1-1

今度はCVsの内訳を新規顧客、リピーターで分けてみるとこのようになっていました。

新規とリピーター

LTVはあくまで1人当たりの年間利益なので、
広告効果にリピーターを含めてしまうとおかしな事になります。

そこで、新規CPA(=広告費÷新規顧客数)を出してみると、

新規CPA

あれ、新規顧客獲得の広告効果は悪いのか??となります。

リスティング広告で獲得したリピーターは以前、別の流入経路から購入済みで、
本来は新規購入時からのLTVでなくてはなりません。

つまり、LTVを目標CPAに利用する場合、CVsは新規ユーザーが大前提!

という事です。

これを理解せずに、LTVを目標CPAに設定し予算を上げてしまうと、
短期的な利益を犠牲に投資しているのに、実態はなかなか利益が上がらない
という場合があるので注意です。

新規率が高いところに注力する

では最後に上記の社名×社名外を新規CVsで見たらどうなるでしょう?

新規率

言わずもがなですが、社名キーワードで来るユーザーは既知層のため、
実はリピーターがほとんどで、新規顧客は社名外のが多いという場合もあります。

※社名キーワードをリスティング広告で出稿するか否かの議論は、また別の機会で触れたいと思います。

ちなみに、成果が非常に良いと言われるリターゲティングも実はほとんどリピーターという場合もあるので注意が必要です。

このように、蓋を空けてみるとこの状態なのに「予算を上げよう!」というのは本当に正しいでしょうか?新規CVsがとれる可能性が高い、社名外キーワードを改善する事が最優先ではないでしょうか。

まとめ

ECのリスティング広告効果を正しく評価するために

・適切な粒度で評価する

  媒体別、デバイス別ではなく社名、社名外で大別する

・新規率を測定し、正しい広告効果を知る

  LTVを利用する場合は、新規CVsが大前提

くれぐれもこういった軽いノリの代理店からの提案には要注意です!!

「リスティングの成果絶好調なので予算上げましょう!」
 ⇒ただし、社名での獲得中心

「機械損失をなくすために、LTVを目標CPAに設定して予算上げましょう!」
 ⇒ただし、リピーターが多い

この「ただし」をきちんとクリアした上で、予算を上げるのに妥当な判断となれば、
積極的な投資を図っていきましょう!

※もちろんアトリビューションを鑑み、トータルCPAという観点もありますが、
 こちらについては別の機会で述べたいと思います。

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菊池 真也
総合広告代理店で100社以上のSEM運用を経験。その後、インターネット広告代理店で大手通販会社、大手人材会社のSEMコンサルタントを経て、2013年、GMOペイメントゲートウェイ株式会社に入社。集客支援グループ所属。 ※Yahoo!リスティング広告プロフェッショナル資格1,000点、GoogleAdwords上級ライセンス保持者。

    
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