【現場の目線】 「O2O」で本当に大切なこと。

2014.07.14. by 海口晶平


こんにちは。ECフロント担当の海口です。

「O2O」「オムニチャネル」…様々なバズワードがありますが、
それらも定着しつつあり、新聞やネットでも、関連記事を目にしない日がありません。
実際に、日々の営業活動の中でも、お客様との会話には、かなり高い頻度で登場します。

本日は、そんな「EC現場の最前線」で日々多くのお客様と遣り取りする中から、
活きた情報をお届けしたいと思います。

O2O の現在地

先ずは簡単に「O2O」と「実際の現場の状況」のおさらいを。

「主にEコマースの分野で用いられる用語で、オンラインとオフラインの購買活動が連携し合う、または、オンラインでの活動が実店舗などでの購買に影響を及ぼす、といった意味の用語である」(出展元:IT用語辞典バイナリ)

とありますが、実際には、古くは「クリック&モルタル」と言った表現で、ECの黎明期から、その概念自体は存在しており、「O2O」が提唱され始められた2010年頃より以前にも、例えば「店舗受取」等の取り組みを行っている企業や、ECサイトも存在していました。

しかし、昨今、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアや、スマートフォンの急速な普及、通信インフラ進化など、消費者が、いつでもどこでも簡単にオンライン(インターネット)に繋がれる環境が整ったことにより、消費者の「購買行動」にも大きな変化が起こり(ex: 店舗滞在中その場でインターネットで検索して価格を調べる。店舗で試着してインターネットで購入する…等々)その急速な変化に企業側も対応せざるを得ない状況になっており、大手企業を中心に新たな取り組みも試みられています。

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ただ、実際の現場では現状、所謂「勝ちパターンの確立」に至っている企業は殆ど無く、大手企業も含め、まだまだ「トライ&エラー」を繰り返している段階だと感じています(勿論その中でも、いち早く取り組みを始め、良い意味での「トライ&エラー」を数多く繰り返し先行者利益を取りにいく企業、一方、企業体力的に、そこまでの対応が出来ない場合は、先ずは情報収集に注力し様子を伺う企業、更には、自社にあったモデルを厳選して差別化を図る企業…等々、少しずつ、その差や方向性が明確になってきています)

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O2O の 現場課題(「システム」と「体制」)

そんな状況の中で「O2O」の実践には、
当然「システム」環境を最適化するという課題が発生します。

ex:
●「顧客情報の一元化」
●「オンライン/オフラインにおける購買情報・在庫情報のリアルタイム化」
●「マルチチャネル(マルチデバイス)への最適化」
etc…

システムにおける課題及び、その解決へのアプローチは、各企業の規模やステージによって異なりますが、それぞれの段階に適したシステムベンダーやソリューションを活用した成功事例も出てきています(こちらは、また別の機会にでも!)

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しかし、現状、実際の「現場」においては、上記の「システム」面よりも
先ずは「体制」が大きな課題となるケースに多く直面します。

ex:
●「実店舗とEC部門の対立構造(「売上」奪い合いの構図になってしまう)」
●「システム部門の別離(実店舗側とEC部門側でシステム担当の情報連携が出来ない)」
●「カスタマーサポートの混乱(社内の確認先が明確化せず対応が遅延)」
etc…

「オフライン(実店舗)」と「オンライン(EC部門)」が分離してしまっている、
従来の「縦割り」の「体制」(=実店舗主体のビジネスで発展してきた小売業では、EC部門が後から設立されているため、ある意味では当然の状態)では、どうしても上記のような問題を避けることが出来ません。ですので、たとえ、どんなに素晴らしい「システム」を導入したとしても、各部門間でのシームレスな連携が取れず、結果として、この従来の「体制」がネックとなり思うように成果が出ない…という不幸なケースを避けるためにも、
「システム」と「体制」、双方の最適化が非常に重要です。

「体制」構築の成功事例

それでは、実際に「現場」では、どのような手法で、
この「O2O」における「体制」の最適化を行っているのでしょうか?

あるひとつの「成功事例」をご紹介致します。

本来、あるべき姿としては「実店舗」も「EC部門」も関係なく「お客様」から見て、どの販売チャネルにおいても「最高のお買物体験」を提供するという目標のもと、全社一丸となって、同じベクトルに向えれば良いのですが、まさに「言うは易し…」で、
それは分かっているものの、従来の「体制」や「意識」を急激に変えることには、社内の反発等「大きなリスク」も伴いますし、現実的に難しいケースが多いのも「現場」での事実です。

そこで…

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先ずは「大きなリスク」を避け、
身近な「KPI」から変えてしまう「仕掛け」を施されたのです。
具体的には、

「実店舗側のKPI(売上目標)」の中にも、
「ECサイト経由の売上(ex: 店舗受取や店頭でのECサイト案内)」を設定したのです。

例えば…
A店舗の「売上目標」は「1億円」とした時に、
通常であれば、シンプルに「1億円」売上げれば達成ですが…

上記の「1億円」のうち、
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「90%」を「実店舗での売上」
「10%」を「ECサイト経由の売上(ex: 店舗受取や店頭でのECサイト案内)」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
というように…「売上目標」に、それぞれでの「割合」を設けました。
この事により「実店舗」だけで「1億円」を売上げたとしても、
A店舗は「100%」の目標達成にはならないので、

「実店舗」の店長さんや、各スタッフさんは、必然的に、
「ECサイト経由の売上」についても意識をもって接客を行います。

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結果として、この「仕掛け」から着手した事により、
「現場」からの大きな反発も無く(最初の「割合設定」も「肝」だったようです)
自然と「実店舗」と「EC部門」の共存関係が培われ、売上も全社的な向上を実現しました。
(勿論、「実店舗」と「ECサイト」の両チャネルが「売上目標」を達成!)

まとめ

上記の「成功事例」からも分かるように、
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「実店舗とEC部門の対立構造(「売上」奪い合いの構図になってしまう)」
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
その原因は、多くの場合「思い込み」であることが殆どです。

※実際、あるお客様の実績でも「実店舗」と「ECサイト」両方で購入されたお客様は、どちらか一方のチャネルでお買物されるお客様よりも「購入頻度」及び「購入単価」の数値が高く、すなわち「ロイヤリティが高くなること」が分かっています(そして、その後も「実店舗」と「EC」の両チャネルから継続して購入されます)

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つまり、先ずはなにより、
「実店舗」側の責任者に(「数値としての可視化」を含め)
実際の「体験」として「O2Oの効果」を実感して頂くことが非常に大切です。
(「机上の空論」ではなく、実際の取り組みを通して「理解」を深めてもらうアプローチ)

最後に

今回のように、ECの「現場」に居るからこそ、
「分かること」「お客様に教えていただけること」が沢山あります。
今後も可能な限り、そんな「現場」の貴重な情報をお知らせしていきたいと思います!

(とはいえ、公の場で言える内容には限界もありますので…より詳しい情報や成功事例に
ご興味がある方は、いつでもお問合せ下さい!)

それでは、また次回!!

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海口晶平

海口晶平

ECサイト運営事業者、ECシステムベンダーを経て、2014年GMOペイメントゲートウェイ株式会社入社。 現在は、EC通販サイト(流通大手)を中心にお客様の決済システム及び各種EC支援を担当。ECサイト運営とECシステム構築の最前線で培った「お客様視点」を武器に、日々お客様とともにECの「現場」で奮闘中。

    
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