菅原悠

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家電業界、「最近元気がない」と言われるようになってから、
既に5年以上経過しているでしょうか。
当ブログの「ECお天気図」においても、家電のEC業界は
ずっと雨模様が継続しております。
家電系EC出身の私といたしましては、自分を育ててくれた
故郷に元気がないのは、なんともさびしい限りです…。
家電ECの「価値破壊構造」
家電業界の課題について語られる際は、とにかく大手メーカーや量販店の
動向に注目が集まりがちなのですが…。
私は、そもそものところで、販売の段階におけるECの「価値破壊構造」にも
スポットが当てられるべきと考えております。
(改めて申し上げるまでもないのですが、)
家電ECは常に価格勝負になりがちなため、非常に薄利な業界です。
それに加え、以下のような「価値破壊構造」が作用することで
元々の薄利体質にさらに拍車がかかっていると考えます。
ここに書ける範囲で、「価値破壊構造」の一部をご紹介して参ります。
価値破壊構造 ①過酷な価格競争
家電商品の購入を検討する際、価格比較サイトをご覧になる方は
非常に多いのではないでしょうか?
…家電EC運営側からお話をさせていただきますと、切実な問題として、
価格比較サイトで最安値が提示できない商品は、
ほとんど売れないという実情があるのです…。
家電ECにとって、価格比較サイトは重要な集客チャネルとなるため、
否が応にも過酷な価格競争に身を投じていくこととなります。
24時間、365日、価格競争に対応できるよう、
「比較サイトの表示価格をクローリングして、
自動でライバル店舗よりも安い値段に更新してくれるツール/システム」
も存在しており、実際かなりの店舗が導入しています。
価値破壊構造② 「抜け駆け特価」の集客戦術
家電ECの集客戦術のひとつに、「売れている商品ほどあえて安くする」
というものがあります。いわゆる「抜け駆け特価」です。
人気商品を安値で売ることにより、お客様へのインパクトが期待できますが、
値下げ後の価格が「一般的な相場」としてお客様に認知されてしまい、
不発に終わることもしばしばです。
集客が期待通りの成果につながらなかった場合は、
更なる値下げで対応せざるを得ず、悪循環に陥ることとなりますが、
結果として人気商品がなぜか赤字売りされている現場を何度も目撃しました。
価値破壊から、価値創造へ!
ここまで見てきた動きは、家電EC個々の動きとして捉えるなら
大して影響がないようにも思えます。
しかしながら、実際には、日本全国のショップが常に競争を繰り返しておりますので、
結果、価値破壊構造として大きく作用することになります。
要するに、他の業界と比較して価格が下がりやすい仕組みになっている、
このことを念頭においた上で「価値創造施策」を実施していく必要がある、
というのが家電ECの大きな課題ではないかと考えております。
今回は、問題提起のみとなってしまい、誠に恐縮ではございますが、
家電業界が取り組むべき「価値創造施策」については、
また機会を改めてお伝えして参ります。
それでは、次回をお楽しみに!
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