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2015.01.21 須田真暢

E-コマース

【ECお天気図】業種別EC成長率の解説_2014年12月版

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須田真暢

2007年にGMOペイメントゲートウェイ㈱入社後、新規事業開発部門を経て、 現在のイノベーション・パートナーズ本部にてマネージメントに従事。 入社前は某大手証券会社の株式自己売買トレーダーから、ITベンチャーに身を転じた異色の経歴を持ち、決済サービスの将来展望をECだけでなく、”金融・経済”の観点からアプローチする。

ECお天気図とは?

マクロでは毎年拡大を続けるEC物販市場ですが、ミクロではEC通販会社が販売する商品の業種によってその月毎に売上にばらつきがあります。
弊社はEC決済代行サービスを各ECショップ様にご提供するとともに、その売上動向のヒアリング結果をヒントにしてECお天気図を作成し、一般的な天気予報に重ねあわせ、過去の振り返りと今後の予測を試みるものです。※あくまでも“予報”のため、ご参考程度にご覧ください。

《指標のご説明(対前年同月比/月)》

晴れ:売上増加 (強・中)
曇り :売上増加(弱)
:売上横ばい・売上減少(弱)
大雨:売上減少(強・中)

①2014年12月時点の ECお天気図

晴れ:衣料・雑貨・食品 
曇り:書籍DVD・日用品・総合通販・化粧品
:家電・趣味嗜好品
大雨:無し

EC市場評

クリスマス商戦で衣料や雑貨などの売れ行きは好調で、落ち込んでいたEC売上成長率はやや戻りつつあります。
また年末に消費が拡大する食品や飲料など生活必需品については、消費増税後も好調をキープしています。

一方で家電・趣味嗜好品といった本来、クリスマスプレゼントとして選ばれる商品群のEC売上成長率が大きく伸び悩んでいます。
所得減によって一部購入を控える動きが個人消費に影響を与えていると思われます。

また総合通販系のECショップは一貫して売上成長率が徐々に鈍化してきており、“各業種に特化した専門ECショップ”が軒並み好調なのと対象的です。( “各業種の専門店”については後述の“ECのトレンド”にて述べます)

景気全体の総評(2015年1月時点:雨のち曇り)

“消費増税後の重石は外れず”
2014年4月の消費増税以降、EC売上の伸び悩みが継続しており、2015年に入っても持ち直しの動きが鈍いです。(年末商戦を受けて衣料・雑貨・食品など、一部の業種は好調。)

“アベノミクス”による日本政府の景気回復見通しに反して、国内経済指標は軒並み悪化
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図20150121

<2014年12月8日 時事通信の記事>

7-9月のGDPが年率1.9%減に下方修正。民間予測を大きく下回る。  内閣府が8日発表した7~9月期の国内総生産(GDP、季節調整済み)改定値は、物価変動の影響を除いた実質が前期比0.5%減、年率換算で1.9%減となり、速報値(前期比0.4%減、年率1.6%減)から下方修正された。設備投資の落ち込み幅が、速報値より拡大したのが主因。景気のけん引役が見当たらない中、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の先行きは不透明感が増している。 (以下、省略)

この下方修正の内容を見てみると、1つは実質民間住宅投資の落ち込み幅が▲6.7%と大きかったこと。もうひとつ非常に衝撃が大きかったのは“個人消費が+0.4%と小幅の伸びに留まった“ことです。消費増税による物価上昇ほど、実質所得が伸びておらず逆に減っている懸念が強まっており、市場経済にアベノミクスへの不信感が拡がり始めている状況と言えます。