近西 潤哉
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みなさんこんにちは!
EC GROWTH LAB初投稿のGMO-PG3年目、近西です。
今日は、決済データからわかる業界動向を見ながら今若い世代を中心にEC業界でも広まっている「共感買い」について一緒に考えていければと思います。
どうか最後までお付き合いいただけると幸いです。
1:「共感買い」とは??
皆さん、「共感買い」や「共感消費」という言葉を聞いたことはありますか?
これは、若い世代を中心に広まっている、消費行動の一つです。
これまでの消費行動では、トレンドや見た目といったポイントが重視されていましたが、
近年はそれだけではなく、”その商品の背景とか成り立ちに強く共感したかどうか”というのが大事なポイントととなっているということ。
単に“新しい物であるから”とか、食べ物だったら“おいしいから”という理由だけではなく
“なぜその商品を売るのか”“どういう人がどのように作ったのか”、
そうしたところまで含めて共感してもらえてようやく消費につながる、という傾向が顕著になってきています。
この記事では、この「共感消費」の動きが決済データからも考察できることを見ていきたいと思います。
2:まずは、EC業界動向を確認
まずは、弊社の決済データが一般的な景気動向指数とある程度リンクしていることを確認してみたいと思います。
図1は、昨年対比の取扱高成長率
図2は、消費の動向を見る際によく使われる、「消費者態度指数」となります。
両者を見比べてもらうと、
・2015年9月以降、堅調に上昇している
・2016年1月および2月は若干低迷。
・しかしながら2016年3月は、もち直す
という点で共通しています。
2014年4月の消費増税前までは、EC市場はマクロの景気動向とはある程度独立し、
「右肩上がり」の成長を続けていました。言い換えると「ECを始めれば売れる」時代でした。
しかしながら、上記の図を見ていただいてもわかる通り、消費増税を機にマクロの景気動向とEC業界の動向が一致してくるようになり、「ECを始めれば売れる」わけではなくなってきています。
3:業種特化型のECサイトの成長が顕著
図3はこのEC GROWTH LABでもおなじみの「ECお天気図<自社ECサイト>」です。
(2016年3月)
図の数値は、昨年対比の成長率を示しています。
こちらを見ていただくと、業界全体の3ヶ月の業種全体の3ヶ月平均成長率が+31%に対し、総合小売は+15%にとどまっています。
※特に家電は業界全体で、家電量販店の不振が継続しており、構造不況に陥っているため、マイナス成長が継続しています。
一方、アパレルや食品など「業種特化型」のECサイトが好調です。
特にアパレルは40%もの昨年からの成長率が40%にもなっています!!
4:なぜ業種特化型が好調なのか?
2の業界動向を踏まえた上で、3では「業種特化型」のサイトの成長が顕著であることを確認しました。
それでは、なぜ「業種特化型」のサイトが好調なのでしょうか??
ここで、1で触れた「共感買い」がポイントとなります。
まず、今の消費者行動である「共感買い」を喚起していくECサイトを作る上で、「総合小売型」にするよりも、「業種特化型」にする方が「共感型」のECサイトを作りやすいということがあります。
実際に弊社のお客様でも、「白衣に特化したアパレルECサイト」「メッセンジャーバッグに特化したECサイト」「高級スマホケースに特化したサイト」などで、
取扱高がより伸びています。
実際にサイトを見ると、その製品がいかに他より優れているかどうかというよりも、「誰がどうやって作っているのか」「プロダクトへのこだわり」「作り手・販売側の思い」といったストーリー姓を重視しているように見受けられます。
次に、SNSの普及により「良い購買体験」はシェアされやすくなり「さらに共感を呼ぶ」という好循環が進んでいるということがいえます。その裏づけとして、トレンダーズ社が、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNSの利用に関して、10~40代の女性を対象に行った利用動向調査(※)を見てみたいと思います。
※同調査では、Twitter/Facebook/Instagramのいずれかに関して、「ほぼ毎日投稿している」もしくは「週に何度か投稿している」と回答した女性を「インフルエンサー型」、
「月に何度か投稿している」もしくは「一度も投稿したことがない」と回答した女性を「フォロワー型」と分類しています。
同利用動向調査では、約半数がSNSの投稿を見て商品購入をしたことがあり、「どのような投稿を見たときに、その商品を『欲しい』と思いますか?」と聞いたところ、
最も多かった回答は「内容に共感した投稿」でした。(図4)
さらに、「良い情報を収集したら、積極的に周りに共有しますか?」と聞いたところ、
インフルエンサー型では56.7%、フォロワー型では43.6%が「あてはまる」と回答。
特にインフルエンサー型では16.0%が「とてもあてはまる」と答え、情報共有により積極的であることがわかる結果となりました。(図5)
5:まとめ
今回は、決済データをきっかけに「業界動向」を見ながら、最近話題の「共感買い」について考えてみました。
少しでもご参考にしていただけると幸いです!
これからも「決済データ」をきかけとした考察を行っていき、
少しでもお役に立てる投稿ができればと思います。
ではまた次回!!