張 維宏
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- 台湾で通販検討の企業必見!|台湾の国民性からみる注意点 - 2016年6月28日
リーホー、ジャバーブエイ!(台湾語のご挨拶:こんにちわ、ご飯食べたか?)
まだ6月ですが、台北は既に連日36℃超えで今年の最高気温を更新し続けています。
台湾には日本のようなお盆休みがありませんが、休暇を取得して旅行にいくのは、
台湾人にとっても夏の楽しみの一つです。
ちなみに、今年の調査でも夏休みに行きたい国は、日本が依然として不動の1位を
維持していますね。※1 これからFacebookのタイムラインは、台湾の友人達から
楽しい日本旅の写真で埋め尽くされそうです。
台湾EC事情に関する記事は、既に複数のサイトでピックアップされていますが、
今回は現地から、台湾人の国民性とその注意すべきポイントについて紹介したいと思います。
台湾で売っているのに、あえて日本から買う?
台湾の店舗を訪ねると、日本商品がずらりと棚に並べられている光景が珍しくありません。
しかし、代理店、流通チャンネルがそれぞれ利益を乗せていますので、
日本の販売価格より高く売られていることが多いです。
近年ネットの発達や日台間を行き来する人が増えたことで、日本情報へのアクセスが容易に
なったこともあり、台湾人からすると「台湾現地購入=価格高い」というイメージが強いのが実情です。
出所:http://www.ettoday.net/news/20151009/577419.htm?feature=rapaq&tab_id=121
2015年台湾VISAの「海外ECサイトで買い物する理由のアンケート調査」によると、
約4分の1の回答者が“海外のECサイトで買い物したことがある”そうです。
また、その5割以上の人が口そろって回答した理由は“台湾のECサイトより安い”です。※2
ここで価格感度が高い台湾人が安いものを求める実態が伺えますね。
欲しい日本商品は日本から直接購入したい!
上記の実態から派生したのが 「代購(購入代行)」というサービスです。
検索サイトでキーワード「日貨(日本商品)」、「代購」を検索すると、
少なくとも100以上の個人や、企業が購入代行サービスを運営していることが分かります。
輸送手段について、個人ハンドキャリーや、企業の物流センターで集中し纏めて台湾に輸入するなど、
2種類があります。購入代行の注文方法についてもかなり簡素化にされています。
ある老舗の購入代行企業の場合、日本ヤフーや日本楽天と直接交渉し、自社サイト上で日本の
商品ページをそのまま表示させ、購入できるようなUIを提供しています。
また、日本語の説明が分からない台湾人に、Google翻訳機能と連動し
中国語表示させることで、購入ハードルを下げる工夫も施しています。
出所:http://www.myday.com.tw/
さらに特筆すべき点は、競合他社が購入価格に応じて手数料をチャージするという費用体系が多い中、
同社は代行手数料を一律250元(約800円)/件とする価格設定を徹底していることです。
価格感度の高い台湾ユーザーの心をくすぐる人気のポイントとも言えるでしょう。
実際先日、その老舗販売代行企業の経営陣に直接話を伺う機会がありました。
今、日本代理購入の処理件数は月間数万件以上に上り、これから更に成長する傾向に
あるそうですが、良く売れる商品ジャンルは台湾で入手困難な高単価商品だそうです。
車・バイク部品、釣具、腕時計、日本伝統工芸品、骨董等は、特に多く注文されています。
何と言っても、このような代理購入サービスが台湾には約100社近く存在する実態から、
日本商品のポテンシャルの高さが伺えますね。
まとめ
「品質の良い日本商品を買いたいけど、高く買って後悔したくない」ゆえに、
「購入前に価格比較の努力を惜しまない」 という国民性に対して、
台湾進出の成功においては価格戦略が考慮すべき重要なポイントの一つと考えられます。
台湾で日本商品を扱うある企業様の経験談では、価格設定は日本価格の
1.3~1.5倍であれば並行輸入品と同額以下のため、消費者にとっても
許容範囲だそうですが、これを超えると販売が厳しくなるようです。
そのため、台湾進出は、現地代理店・チャンネルに頼らず、
直販で価格主導権が握れる自社ECが成功の近道かもしれませんね。
もし海外、特に台湾のEC進出にご質問がある場合は、いつでもお気軽に弊社までご連絡下さい。
https://www.gmo-pg.com/lpc/taiwan/