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多田遼生
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最近、Google社が展開している広告メニューで、「スマートキャンペーン」というものが増えています。
いわゆるGoogleの機械学習を活用したメニューで、あらゆる手段を自動化してくれるメニューです。
中でも、ディスプレイ広告のスマートメニュー「スマートディスプレイキャンペーン(SDCとも記載)」と、
ショッピング広告のスマートメニュー「スマートショッピングキャンペーン(SSCとも記載)」は、
配信面や広告の見え方が近く混同してしまうことも多々ありますよね。
今日はこの2プロダクトについて、違いを学んでいきましょう!
スマートディスプレイキャンペーンの特徴は?
いわゆるディスプレイ広告の一手段として用意されている『スマートディスプレイキャンペーン』。
入稿自体も通常の新規キャンペーン立ち上げから、ディスプレイメニューを選ぶと出てきます。
入稿自体は通常と同じような手順で進められますね。
では、スマートディスプレイキャンペーンは通常のディスプレイ広告と何が違うのか、その違いを簡単にまとめてみましょう。
①入札戦略は自動入札のみ
SDCで選べる入札戦略は、通常のディスプレイ広告と違って自動入札のみとなります。
特に、自動入札の中でも「コンバージョン数の最大化」、「目標広告費用対効果(ROAS)」、「目標コンバージョン単価(CPA)」の3つが選べますが、
さらに条件を満たすと「コンバージョンに対するお支払」、いわゆる成果報酬型の入札も活用することができます。
条件、というのが以下の2点になります。
・過去30日間にアカウント内のコンバージョン数が100件以上
・90%以上のコンバージョンが広告のクリックから7日以内に発生
“過去30日間に”、というのは購入までのリードタイムが長い商材を取り扱っているなど難しい場合もありますので、
該当のGoogle広告ヘルプを参考にしつつ、設定ができるかを確認することがベストかと思います。
それを踏まえ、ビジネスに適した入札戦略を選択しましょう。
②ターゲティングが自動
ディスプレイ広告といえば、リターゲティングや配信ターゲットを設定する…ということも特徴の一つとして挙げられますが、
これらのターゲティングも自動的に設定され配信されます。
SDCでは、基本的には下記2つのターゲティングを中心に配信されます。
自動リマーケティング
既存リマーケティングに影響を与えない範囲で、ウェブサイトを訪れたことがあるユーザーをリマケします。
購買プロセスの初期段階にいるユーザー
Googleの持つデータベースをもとに、特定商品に興味があるユーザーを自動的に見つけて配信してくれます。
“機械学習やブラウザのデータに基づき、自分では思いつかないようなシグナルがターゲットとして設定されます。”
と記載の通り、自分たちで見つけていかずとも、広げていくことが可能となっています。
参考:Googleディスプレイ広告の自動ターゲティングについて
③広告はレスポンシブで自動作成
見出し・説明文・バナー画像など必要なものを入稿しておくことで、自動的に組み合わせて配信をします。
現在は主流になっているので見覚えがあるかもしれませんが、レスポンシブ広告のようなイメージですね。
ある程度配信した場合には見出しや説明文の成果に応じてのメンテナンスはもちろん必要ですが、
基本的に出し分けなどの調整の必要はないので、手間がかなり削減されますね。
スマートショッピングキャンペーンの特徴は?
同じように、SDCより後発のキャンペーンとして、
ショッピング広告にも『スマートショッピングキャンペーン』があります。
SSC、Googleの自動化を活用できるキャンペーンになりますが、
立ち上げ方法についてはディスプレイ同様、通常の立ち上げと同じ流れになります。
ディスプレイ広告と違うことといえば、ショッピング広告になるので
Merchant centerとの連携・商品データの連携が必要になります。
連携されていれば真ん中に表示されますので選択し、『スマートショッピングキャンペーン』を選択すると立ち上げられます。
さて、こちらも通常のショッピング広告(=PLA)と違いがあります。
スマートショッピングキャンペーンの特徴について確認してみましょう。
①配信面が多い
ショッピング広告との最大の違いは、配信面の多さです。
ショッピング広告では検索連動型広告と同じくGoogle検索面に配信されますが、
SSCではGoogle検索面に加えて、ディスプレイネットワーク,Youtube,Gmailにも配信されます。
②ターゲティングが自動
ショッピング広告では、読みこんだ商品フィードをもとに検索語句への配信が行われますが、
SSCにおいてはそれに加えてユーザー属性、地域なども自動で配信されます。
ただし、SSCでは”成果が悪いのでこのキーワードでは除外したい…”といった設定が行えなくなっています。
そのため、検索語句のレポートも出せず、”どの商品が売れた”という情報のみがわかるような形となっています。
③入札戦略は自動入札のみ
こちらは先ほど触れたSDCと近いのですが、SSCにおいても自動入札のみ選択が可能です。
ただし、選べる自動入札が異なっています。
SDCでは”目標CPA”なども選べましたが、
SSCにおいては”コンバージョン値を最大化する”がデフォルトかつ変更できなくなっています。
ただ一部変更できる点として”目標広告費用対効果の設定”は可能ですが、
基本的にショッピング広告ということもあり、売上を最大化するような戦略しか取れないという形ですね。
あくまでイメージですが、SSC=ショッピング広告(PLA)+動的リマケ配信、という形が想像しやすいかもしれませんね。
SDCとSSCの違いは?
さて、ここまでスマートディスプレイキャンペーン、スマートショッピングキャンペーンについてみてきましたが、
その2つのキャンペーンについての違いは何か、というものを改めて確認していきましょう。
結論から言うと、本当にざっくりした説明ですが、”SSC=ショッピング広告+SDC”です。
①ショッピング面への配信はSSCのみ
キャンペーン種類でもわかる通り、検索時に出るショッピング枠への配信は
SSCのみが対応しております。
SDCはディスプレイネットワーク全体と広く配信を担っていますが、
SSCはショッピング枠+ディスプレイネットワーク、Gmailなどにも配信されます。
②配信対象の違い
冒頭のSDC,SSCの特徴に触れていますが、両キャンペーンとも「ターゲティングが自動」となっています。
しかしながら、それぞれのターゲティングにはわずかながら違いがあります。
簡単な振り返りですが、
SDCでは「リターゲティング」+「購買プロセスの初期段階にいるユーザー」。
SSCでは「読みこんだ商品をもとに検索語句に配信、売上を最大化すること」
をもとに自動でターゲティングします。
ここからは意訳も含めてになりますが、
SDCでは「購買プロセスの初期段階」、つまり潜在~認知層のアプローチ、
SSCでは「売上の最大化」、こちらは比較検討~検索層へのアプローチということになります。
両キャンペーン内容が似ていますが、推奨のターゲティングに少し違いがありますね。
③SSCでは売上≒コンバージョン値を計測できる必要がある
細かい裏側の話になりますが、
繰り返しお伝えしている通り、SSCでは「売上の最大化」のロジックです。
売上、Googleではいわゆる”コンバージョン値”が設定されていないと、
何をもとに機械学習を進めればよいかがわからなくなってしまうからです。
これに関してはSSCのみならず、ショッピング広告でも同じ話になりますね。
まとめ
途中触れたとおり、SDCのローンチ後あらわれたSSC。
各キャンペーンごとに得意なターゲティングなどもあるので、判断が難しいですよね。
様々な自動化キャンペーンが打ち出されていますが、
いろいろな広告プロダクトのンの特徴をとらえながら、適したキャンペーンを実行していきましょう!