follow us in feedly ブックマーク twitter Facebook

2014.05.01 グロラボ編集部

リスティング広告

【EC向け】KPI設計を怠るとリスティング広告は失敗する

The following two tabs change content below.

グロラボ編集部

EC-GROWTH-LABを運営するGMOペイメントゲートウェイのマーケティング支援部。主にWebマーケティング関連の記事を担当。クライアントの成果向上のために価値ある情報を提供していく。

前回、リスティング広告のコツはKPI設計にあるという事を触れ、目標CPAの算出方法について投稿しました。

また、CPAとCVはトレードオフの関係にあるため、
(もちろん、CVRを上げる事である程度CPAは維持出来るが)
件数を最大化させるためには、LTVを目標CPAに設定する事を推奨しました。

【初心者必見!】リスティング広告が上手くいくコツは?

第2回目については、設計したKPIが運用時に起こりうる落とし穴についてです。

KPIと運用方針は連動する

アパレルECを展開している、菊池商店(架空)を例にしてみましょう。

EC

菊池商店のメイン商品はジャケット。品質にこだわったリーズナブルな靴下も人気です。
全体の平均注文単価は10,000円、粗利2,500円ですので、CPA2,000円と仮定。

広告費30万円かけて、CPA2000円だった場合、ご覧のとおり75,000円の利益が出ました!

図1

その実績をもとに運用方針を決定します。
当然ながら、目標CPAに対して実績がオーバーか、ショートかで運用方針が異なります。

ここで、リスティング広告の運用方針をなんとなくドラクエの作戦で例えてみました。

作戦修正

では、全体結果から一段深堀りして商材別で見てみましょう。

図2

CPAの場合、どちらも大きく問題なく運用も現状維持といったところです。

商品単価の違いで成果が異なる

もう一段深堀りしてCV数だけでなく、売上でみてみるとどうでしょう?

ROAS修正1

CPAはどちらも変わらなかったのに、
商品単価の違いで「靴下3点セット」は赤字になってしまいます。

運用方針は「みんながんばれ」でいいのでしょうか?

ここでROASの出番です。
ROASであれば、商品単価を考慮した運用が可能です。

ROASとは?
「売上額÷広告コスト×100」で計算。
細かい説明は他でも書かれておりますので、割愛します。

ROAS目標を平均の粗利から500%と設定します。

※広告費100円で500円の売上。粗利率25%と仮定し、粗利125円(売上×粗利率)から、広告費を引いて25円の利益が得られる計算

すると、、

ROAS修正2

ご覧のとおり、売上額に連動して運用方針を決定する事が可能になります。
ECのKPIはROASが最適なのでしょうか?

リピートを考慮すると成果が逆転する場合も

長期的な利益という観点でリピートを考慮した「LTV」の場合はどうか算出してみます。
年間リピート回数が平均2回、粗利2000円なので、目標CPAを4000円と設定

図8_LTV修正

目標CPAを許容する事で、CV数は増やせました。

ただ、先ほどの商品単価の問題もあります。さらにリピート回数も商材によって異なります。

例えば、ジャケットは単価高いですが、1点買いでそんなにリピートはしない。
でも、靴下は単価低いが、年4回もリピートしてくれているという実績があります。

その実績をもとにLTVを算出すると、、、

図8_LTV修正2

なんと短期的な売上ではダメだった「靴下3点セット」のが、長期的な利益に繋がっています。逆に、ジャケットは目標CPAを許容してしまうと赤字になってしまいます。。

つまり、下記の表のとおり同じ実績でもKPI設計によって運用方針が異なり、全く逆の方向へ進む場合があるという事です。

■KPIと運用方針
図7
※LTVは目標CPAを上げた場合

今回のケースですと、顧客数の獲得という面ではジャケットと靴下は同じパフォーマンスですが、売上額を求めるとジャケットを強化し、靴下は抑制をすべきでした。
しかし、LTVを求めると逆に靴下に軍配が上がります。

ですので、間違ったKPIを設定してしまうとどんどん違う方向へ進んでしまうため、
KPI設計がリスティング広告の全てといっても過言ではありません!

まとめ

・KPI設計によって運用方針が大きく異なる

・商材ごとの単価、リピートを考慮しKPIを設定する

・ビジネス目標に合わせてKPIを設定する

 【例】
  ・顧客数を増やす⇒CPA
  ・短期的な売上を増やす⇒ROAS
  ・中長期的な利益を増やす⇒LTV

以上、現状のリスティング運用が本質的な利益拡大に繋がっているのか、
改めてみてはいかがでしょうか?